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アンティークアップライトピアノ
2019/09/13
昨日調律にお伺いしたのは、津市で長年ピアノ指導をしてらっしゃるある先生が所有されているこのピアノで、Richard Cook & Co. Manufacturers London と記されている、他では見たことのない、古いアップライトピアノです。
普段のレッスンにはもう一台所有されているカワイのグランドピアノを使用されてますが、僕が初めてグランドピアノの調律でお伺いした時は、このピアノあちこち音も出ない、外装もボロボロの見る影もない状態でレッスン室の隅に置かれていたのです。
当時は、上前パネルの透かし模様の部分も一部が無くなっており、また譜面台も無く、側面の親板も全体に虫が食っており半分朽ちかけたような状態だったのです。
それをなんとか復元させたいという先生のご希望で、静岡県磐田市にある小さなピアノ制作会社に依頼をしましたところ、数ヶ月でそれはものの見事に再生してくれました。
もちろん外装だけでなく中のアクションから張弦、すべてを綺麗に蘇らせてくれました。
ピアノの製造年代も不明ですが、おそらく1800年代後半のものでしょう。
アクション部品も一部欠けていたものは作り直してますが、今では見たこともないようなアッパーダンパーや鍵盤奥上に長いパイロットの付いたオーバーアクション、調律をするのに弦の響きを止めるウエッジを刺す隙間がほとんど見当たらず、調律に大変苦労をしたアクション仕様で、それらをほとんどオリジナルの状態で再生してくれました。
「どこか落ち着いた調度品に囲まれたようないいスペースに置いてあればこのピアノも映えるだろうにね。」と先生も仰っていますが、まさにそうで、大変落ち着いたクラシカルなイングランド調の外装と、現役で充分演奏に耐えられる内装のこのピアノ、素晴らしいお宝がこのレッスン室の片隅に置いてあるのです。
お伺いするたびに見惚れてしまいます。
アンティークアップライトピアノ
アンティークアップライトピアノ
クリームチーズ?
2019/09/09
賞味期限7月21日の生クリームが冷蔵庫に残っていて、捨てようと思ったらパックの中でチーズになってました。
それでちょっとかじってみたら、塩味はないものの、結構まろやかな味で、おっ、これはイケる、と思ったのですが、5分くらいしたら何やらお腹が妙に反応してきました。
もちろんあとは捨てましたが、いろんな食品ってこんなふうにできるのでしょうかね。
面白いものです。
クリームチーズ?
クリームチーズ?
うたおにマンスリーコンサート
2019/08/30
昨夜は私が所属する合唱団「うたおに」の月一回恒例のマンスリーコンサートが大門商店街の路上でありました。
路上でのマンスリーコンサートは初めての経験で、天気も含めてどうなることかといろいろ心配もしましたが、雨にも降られず、宵闇の中での路上ライブはなかなか雰囲気もよく、演奏を楽しめました。(出来はともかく笑)
終了後は企画に全面協力をしていただいた商店街のあのつ画廊さんのお世話で、路上で生ビールもいただき、楽しい一夜を満喫できました。

よく、野外ライブというのがクラシックポップス問わずありますが、昨夜思ったのは、野外というのはいいもんだなあ、ということ。
音楽って、もしかしたら野外で演奏したり聴いたりするほうが自然なのかな、とも考えたりしました。
それに、野外ライブだと、ちょっとしたピクニック気分も楽しめるし、そうでなくとも気持ちも開放的になるし、おまけにそこに、耳に楽しい音楽が飛び込んできたら、これはもう最高かなと、野外ライブの魅力の一端を考え直したりしました。

まあそれにしても、スピーカー4本と照明灯ポールを4基。灯体8基。なんのコンサートですか?というような機材と、自前山台4本の仕込みとバラシも大変でしたが、でも、楽しめました。
だからきっと来ていただいたお客様も楽しんでいただけたかなと、勝手に想像してます。
うたおにマンスリーコンサート
うたおにマンスリーコンサート
スタインウェイO型
2019/08/27
昨日調律にお伺いしたお客様のピアノは5年ほど前にご購入いただいたスタインウェイグランドピアノO型。1985年頃製造のピアノです。
そのピアノを弾く幸運な人は当時まだ小学校6年生の息子さんと3年生の妹さんです。
当時すでにヤマハG3を所有されていて、でもそのピアノもすでに40年程も経っていたのでひとつ新しいピアノを、ということでご相談をいただき、当時で言えば国産新品グランドピアノが3〜4台ほども買えそうなお値段でしたが、思い切ってご購入いただきました。でも実際そのピアノを展示場で見ていただいた時は、それはそれは魅力のある素晴らしいピアノだったのです。

それから5年経ちました。
息子さんはもう高3。高校になってからは勉強も忙しくピアノレッスンは辞めてしまいましたが、時々弾いているそうです。そして校内のクラス合唱コンクールではいつもピアノ伴奏を受け持ち、今年も「伴奏賞」をもらったとお母様が嬉しそうに話されていました。
今年なんかは、家ではあまり練習しているふうには見えなかったのでちょっと心配していたのだけど、あとでビデオを見たらなんとノリノリで楽しそうにピアノを弾いていたのでびっくりした、のだそうです。

いいピアノは、特に世界の名器と言われるようないい楽器は、演奏する人に音楽の本当の楽しさを教えてくれるものなんだと思います。私はそんな人たちを今まで何人も見てきました。
皆さんきっと思い切っていい楽器を購入され、でもそのおかけで音楽が本当に好きになり、まさに音楽が人生を支えているくらいにまで音楽が身についていかれた人たちばかりです。
昨日のお客様も、妹さんはまだレッスンを続けています。きっと二人はこれからもずっと音楽をそれこそ人生の友として、歩んでいかれるのだと私は確信しています。見ていてそう思います。
本当に価値のあるものは、持ってみて初めてその持つ意味がわかるものなんだと、いつも思います。そしてそんなことをお伝えするのも私の仕事だと思っているのですが、お伝えするのはなかなか難しいです。
でも伝えなくては、と思います。それが私の使命ですから。
豊かな人生のお手伝い。楽器も私もそれができればいいなと思います。それがまた私の幸せでもあるわけですから。
スタインウェイO型
スタインウェイO型
グランフィール(ヤマハUX)
2019/08/17
今日調律にお邪魔したのは、もう40数年も前からずっとお邪魔しています桑名市多度町の石川様。昭和51年頃にご購入いただいたヤマハUXです。
このピアノも昨年末、私にとっては2台目のグランフィールの取付けをさせていただいたピアノなんです。
今弾いているのは中2のお嬢さん。コンクールとかもチャレンジしており、以前よりグランドピアノを検討して頂いてたのですが、置き場所とかの問題で二の足を踏んでいたところへ、グランフィールの話をさせていただき、あっさりこちらに決めていただきました。
実はこのピアノ、グランフィールを取り付けてから今日が初めての調律で、まだはっきりと使用感もお聞きしてなかったので、今日は正直恐る恐る感想をお聞きしました。
すると、帰ってきた返事が、「いやあ、すごくいいです! 音も綺麗だし、ほんと全然違います。」とのこと。嬉しかったと同時にホッとしました。
お嬢さんは先生のお宅へレッスンに通ってるのですが、(先生宅はグランドピアノです。)先生曰く、「音がしっかりと出せるようになった。大きい音が出せるというのでなく。」
ということらしいです。タッチのコントロールができてきたということなのでしょうか。
先生にはグランフィールのことも何も話してなかったのですが、そのように言われたそうで、「やはり弾き方も変わるものなんですねぇ。」とびっくりされてました。
「ピアノが(本物の)ピアノになった。」と、とても喜んで頂きました。
石川様は現在中学校の先生をしているのですが、グランフィールを取り付けてからご自分でも30数年ぶりにピアノを弾くようになって、今年は卒業式の伴奏もされたそうで、蘇ったご自分のピアノに、すごく満足されていました。
調律師としてはとても嬉しいことです。
仕事の醍醐味ですね。
グランフィール(ヤマハUX)
グランフィール(ヤマハUX)