ヤマハC7
2019/10/12
写真は撮り忘れたのですが、先日は四日市のある小学校の体育館に、長年使用されないで放ってあったヤマハのC7、しかも昭和43年製の修理と調律に行ってきました。
修理は鍵盤とダンパーレバーに埋め込まれているバランスウェイト用の鉛が錆のため(?)膨らんでしまい、隣の鍵盤やダンパーレバーと接触して動かなくなってるのです。
かなり強烈に膨らんでいました。
グラインダーから電気ドリル、大型掃除機まで持ち込み、2名でまる一日がかりで、整調整音も含めて、なんとか完成しました。
出来栄えは、これが一番言いたかったのですが、素晴らしい音になりました。
深みのある甘い、落ち着いた、それでいて華やかな、今まで見たC7の中でも特に素晴らしかったです。
鍵盤も象牙でしたし。
昭和43年製という時代のピアノだからなんでしょうか。とてもいいピアノでした。
特筆すべき、記録すべきな出来事でした。
写真もありました。
レーニッシュ155ch
2019/09/17
先日お伺いしたのは、四日市市在住の作曲家の櫻井ゆかり先生のピアノRoenisch(レーニッシュ)155chグランドピアノです。
以前にご紹介したNiendolf155と同じく、やはりドイツ製の素敵なピアノです。
奥行155cmと非常に小型ですが、響きのたいへん豊かな、味のある、そして低音から高音までバランスの取れた、名器と言っていいほどのピアノだと思います。
世の中にはスタインウェイを始め名だたるピアノがいくつもあり、それらのピアノはやはり名声と同じく価格も高く、もちろんそれに見合った素晴らしい楽器であることは間違いないのですが、このレーニッシュは価格はそれらのピアノのおそらく半分以下、と言っても国産のピアノよりは高めなのですが、でもその価格以上の素晴らしい音を奏でているのです。
スタインウェイは素晴らしい音が出ます。しかし、このピアノはそういったいわゆる名器の音を目指すでは全くなく、独自の視点で自社ブランドの音を目指し、そしてこのピアノはそれを非常に良い状態で体現しているように見えます。
これって音楽作りやあるいは芸術全般にも言える、オリジナリティ、あるいは他はどうであれ自分はこれがいいと思う、というある意味頑固なまでの自己表現なように見えるのです。
そしてそれは、特に芸術表現においてはとても大事な要素なんだと思います。
ビートルズにしてもピカソにしても、他の、時代を切り開いてきた芸術家はみんなそういう視点を持っていたと思います。
頑固なまでの音のこだわりが体現されたこのピアノの音に、僕は心が奪われています。